吉賀町六日市は島根県の西南端、吉賀川(高津川は上流部では吉賀川という)の上流域で、吉賀川が東から西に貫流し、南から支流立河内川が、北から鹿足河内川が合流する地点に位置する県境の町である。 江戸期は津和野藩領。村高は寛永14年(1637)には280石余、「石見石高郷村帳」では629石余、「天保郷帳」では1,011石余。 安芸廿日市に通じる廿日市街道が吉賀川に沿って通り、津和野藩主亀井氏の参勤交代路で、陣屋・宿駅としても、また吉賀地方の在町・交易の市としても繁栄していた。文化2年(1805)商人の家数43戸を数え、既に天文期(1532〜55)に100軒の民家が並んでいて、江戸中期には本町・横町・新町が成立していた。明治4年の総高328石余、家数127・人数419、牛49、馬10で、紙漉船が15艘もあったので、紙が多く生産されていたようだ。 今も吉賀地方の行政・経済の中心地である。国道187号線がバイパスとなり旧街道の南側を通ったので、町並は比較的よく残ったのだろう。白漆喰塗り込めの虫籠窓を備えた大型の家屋も見られた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
六日市の町並 |
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