安来市広瀬町布部は島根県の西部端、中海に注ぐ飯梨川(布部川)の中流域に位置する。 江戸初めは松江藩領であったが、元禄年間(1688〜1704)以降は松江藩の支藩広瀬藩領。 村の中心は町場を形成していて、「樋の廻たたら」を経営した家島家を中心として鉱山業が営まれ、町は製鉄業によって発展していきました。 元和7年(1621)の布部村検地帳写によると、家数52(うち本百姓15)。 「郡村誌」によると、家数316・人数1,241、牛133・馬60。物産は鋼・銑・鉄・炭。 民業は農業251・鉱山65と近代に入ってもたたら製鉄が盛んだったことが知られる。 松江と広島を結ぶ街道筋にあたるため、早くから宿場町的な性格で発展した。国道432号線がバイパスとして、旧街道筋の東側を通ったため、町並みはそのまま保存され、今に古い町並みが残っている。 洋風建築の元郵便局、「鉱泉旅館」と看板を掲げた旅館建物、ほろ酔と看板を揚げている造り酒屋さん等など、藩政期から明治・大正と続いた繁栄の余韻を色濃く残す町並み。新しい様式の家屋の混ざりも少なく、明治の雰囲気を残す町並みそのものの良い町並みだった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
広瀬町布部の町並 |
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