山口市徳地島地の町並 
徳地島地
地図


徳地島地の町並

 山口市徳地島地は山口県中央部南寄り、佐波川の支流島地川の中流部に位置する。
江戸初期には中徳地村の一部であったと思われる。「地下上申」(享保14年(1729)分)で独立した1村として島地村と記され、村高は1,640石余、家数299・人数1,080とある。また、同書の寛延元年(1748)分では1,726石余、家数215・人数926とある。「注進案」では2,747石余、家数448・人数1,903を数える。
村の南東部、島地川沿いに市が開かれ、「注進案」では「商家職家軒を並べ町裏家数多あり、西の山際に寺院四ヶ寺、市尻に上徳地の惣氏神花尾八幡宮鎮座なり、徳地の繁花の地にして往古より月別の四日十二日十八日廿二日廿八日と五斎の市有来……」と記す。この島地市には高札場や駅場が置かれていた。
村では農業のほかに、紙漉き、林業、瓦の製造などが行われ、瓦一万枚、材木五千才、板一千坪、半紙一千八〇〇丸、楮皮三千六〇〇貫、雑紙六三〇丸ほど産出した。
今も、集落は殆ど昔のまま残っているようで、市が開かれていた集落の東側には島地川が流れ、西側には寺院が、北には花尾八幡宮が鎮座している。市があった当時の名残と思われる家並みが、街道に沿って建ち並んでいる。妻入り・平入、赤瓦と黒い瓦が入り混じった町並を展開していた。
町並み指数 30
参考文献    
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  1988年
  山口県の地名  平凡社  下中邦彦  昭和54年 


徳地島地の町並

徳地島地の町並

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