竹原市東野町は竹原市街から北へ約4kmの所に位置し、賀茂川の西側を占める。 江戸時代は広島藩領で、「芸藩通志」では竹原東野村とみえ、905石、畝数75町8反余り、家数・人数は寛政12年(1800)指出帳369・1,011。文政2年(1819)指出帳では427・1045。 耕地が少なく人数が多く、重い貢租で苦しめられ、家族を出稼ぎ奉公に出す家が多かった。竹原塩田の浜子として働いた人数は、貞享元年(1684)18人・正徳5年(1715)37人とある。 産物には楮・煙草・茶・木綿・麻糸などがあり、大工も紺屋もいて、明治に入ると酒造家も醤油醸造もされていた。 国道432号線はバイパスとなって賀茂川の対岸を通っているので、東野の町並みは昔のままを保存された状態で残っている。平入り切妻造りの中2階建ての建物が多く残っている。千本格子や袖壁を残した家もあり、思わぬ古い町並みが残っているで嬉しくなった探訪だった。 広島県の地名 平凡社 下中邦彦 1982年 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和62年 |
東野町の町並 |
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