邑南町下口羽は島根県中部、邑南町の最南部、江の川支流の出羽川が江の川と合流する所に位置し、広島県と接している。古くから江の川を通じて山陽と山陰を結ぶ文化・経済・軍事の要地として発達してきた。 慶長5年(1600)の関ヶ原の戦い後、下口羽など当地一帯は幕府領(石見銀山領)となり、元和5年(1619)から浜田藩領。天保7年(1836)から同13年(1842)の間は石見銀山領となるが、その後再び浜田藩領で幕末を向かえる。 元和5年(1619)以降に口羽村が上・下に分村したものと思われる。 江戸中期から「たたら製鉄」が盛んになり、鉄穴場が多く設けられた。砂鉄採取の鉄穴流しとたたら製鉄によって経済が保たれ、特筆する物産が出ていない。 近世において盛んであった砂鉄製鉄も明治中期に終り、それに代わって広大な山林を利用した木炭生産が現金収入となり経済を支えた。 今、古い町並みは旧街道筋に色濃く残っている。隣の阿須那に比べて中2階建てが多いのが印象的。殆どは赤褐色の屋根瓦で、平入り切り妻造りで構成された町並みで、明治期の建物が多いと思われる町並みで、なかなか見応えある町並みを展開していた。 過疎はここでも進んでいるだろうが、何時までもこの町並が残っていてほしいと思える良い町並みの町だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
下口羽の町並 |
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