邑南町三日市は島根県中央部の南、邑南町の南部、江の川の支流出羽川の左岸に位置する。 出羽川流域一帯は古来鉄の主要産地で品質の良い出羽鋼は刀剣の材として最良のものとされていた。砂鉄採取の鉄穴場跡が多く残り、江戸時代には鉱山周辺には多くの人が集まり、1千軒もあったと云われている。 出羽川に沿った街道沿いに町並みが形成され、中世以来、対岸の出羽とともにこの地方の政治・経済の中心地で、特に幕府領として久喜鉱山支配の拠点になって発展したところ。 江戸期は浜田藩領出羽組に属し、天保7年(1836)〜14年まで幕府領大森代官支配地。 製鉄が盛んで、その運搬に牛馬が利用されたことから、当地で牛馬市が立った。盛んになったのは文政年間(1818〜30)からで、三日市村と出羽村で交互に開かれていたが、明治19年からは両市同時に開かれ、明治30年から明治末にかけてが最盛期であった。 明治末頃には製鉄業が衰退し木炭産業が、牛馬市が畜産業へと変貌を遂げた。 明治5年の家数76・人数368。職業は農34・日雇い25・商10等。 今、町並みは石州独特の赤瓦の家屋が多く、平入りで中2階建・2階建て、切り妻造りの家屋が並び、中でも軒庇を同じ高さで揃えた家屋の連なりは見ごたえある町並みを形成していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
三日市の町並 |
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