奥出雲町下阿井は島根県東部、斐伊川の上流部で合流する阿井川の両岸に開ける河川段丘上で、八幡・山根集落は阿井川東岸に位置する。 江戸期は松江藩領。村高は慶安元年(1648)の検地帳では937石余、元禄10年(1697)の「出雲国郷帳」では1,168石余、「雲陽大数録」では1,010石、「天保郷帳」では1,142石石余。 「郡村誌」によると家数220・人数1,052、牛90・馬129。 山根集落は上阿井ー王貫峠を経て高野から三次へ通じる道が通り、町並は宿場町的な様相を呈している。道に沿って間口の広い平入切妻つくり2階建ての家屋が軒を連ねている。明らかに近隣の農村集落とは集落形態が異なる。在郷町と思われる程集落が大きくないので、三成から三次へ旅する旅人の宿場的な性格と持っていたと思われる。 もう一つの八幡集落は、上八幡と下八幡集落に分かれていて、阿井八幡宮は村社で11月1日の「おこし祭」(押神輿祭)は有名である。石段の上から投げられる神輿を上八幡と下八幡集落が奪い合う勇壮な祭り。八幡集落の入口に「押神輿祭の里」との大きな看板が掲げられていた。 特別古いと思われる家屋も見当たらないが、両集落とも現代的な様式の家屋が殆ど無い目立たない、古い町並の形態を保った見ごたえのある集落だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
下阿井八幡下集落の町並 |
に応え 阿井八幡下集落の町並 |
阿井八幡下集落の町並 |
阿井八幡下集落の町並 |
阿井八幡下集落の町並 |
下阿井山根集落の町並 |
下阿井山根集落の町並 |
下阿井山根集落の町並 |
下阿井山根集落の町並 |
下阿井山根集落の町並 |