岩国市錦町宇佐郷の町並 
錦町宇佐郷(福田集落)
地図


錦町宇佐郷(福田集落)の町並

 岩国市錦町宇佐郷は山口県の北東部、小五郎山・高鉢山の南麓、宇佐川上流部に位置する。
江戸時代は萩藩領、奥山代宰判に属する。「元禄郷帳」では大原村に含まれ、「地下上申」では宇佐郷村とある。「天保郷帳」では宇佐村に含まれ、「注進案」「旧高旧領」では宇佐郷大原村とある。
村高は寛延3年(1750)918石余、家数224・人数713。
萩藩では、寛永8年(1631)紙の専売制度を行い、楮や紙の他売りを禁じた。これにより元禄年間(1688〜1704)中頃から楮不足が慢性化し、農民は買楮・買紙あるいは銀で弁償するほかなく、村は次第に窮乏化し、農民一揆も起こっている。
天保12年(1841)の宇佐郷大原村として家数304のうち農家230・大工4・桶屋7・杣木挽49・宿屋8・仲買小商人4とあり、人数は1,010とある。紙専売制度の請紙制のうち請楮は1,403釜、同年に実際に生産された楮673釜余、他村より買楮は339釜余、これで紙を漉いて上納した。
宇佐郷は、宇佐川沿岸の河岸段丘上に位置する宇佐郷地区と北部の小五郎山麓を流れる深谷川が高津川と合流して形成した洪積台地上に位置する向峠地区からなっているが、今回訪ねたのは宇佐郷地区の福田と呼ばれる小さな集落。
宇佐川に沿った国道434号線に沿って山間部を走っていると、その脇道に突然現れる古い町並。
町並の長さは200mにも満たない少しの間ですが、どうしてこんな町並があるの??と疑問に思える驚きの出現。特別古い様式の大きな家屋がある訳でないが、大正時代から昭和中期位までに建てられたと思われる2階建ての家屋が連なっている。それも商店街として多くの家が商売していていたのにはびっくるするが、ましてやこの短い町並の中に2軒ものガソリンスタンドが営業していたのには驚いた。商店街はここだけだが、国道を外れた山間部には多くの集落があるのだろうと想像しながらの探訪だった。
町並み指数 40
参考文献    
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  1988年
  山口県の地名  平凡社  下中邦彦  昭和54年 


錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並

錦町宇佐郷(福田集落)の町並
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