岩国市錦町広瀬の町並 
錦町広瀬
地図


錦町広瀬の町並

 岩国市錦町は山口県北東部に位置し、広瀬は瀬戸内に近い徳島市から北東流してきた錦川が東に流れを変え、宇佐川と合流する手前の河岸段丘上に開けている。
江戸期は萩藩領、前山代宰判宰に属した。
村高は慶長15年(1610)の検地帳で2,903石余、屋敷数277軒で市屋敷17軒とあることから、近隣の物資集散地であった。「地下上申」では東西二村に分けられ、東村は1,436石余、家数211・人数714。西村は1,291石余、家数280・人数1,023。
市は家数・人数ともに多い西村にあった。
錦川が村内を流れていながら、「注進案」では「大川懸り之井手堤無之水気乏しく」とあり水田の開発は無かったようだ。しかし、紙漉きが盛んで、藩は寛永8年(1631)から紙の専売制度をはじめた。
「注進案」によると家数688・人数2,661は、限られた田畑には多すぎるので、この地方の特産である楮の栽培と紙漉きに従事していた。そして楮3,813釜分、半紙1,270丸を産出していた。
明治24年の家数1,421・人数6,260とあり、その頃にはもう商店街が見られた。山陰・山陽を結ぶ中継地として、錦川を利用した川舟や筏の津として岩国に通じ、人や荷物を運んだのは昭和初期まで続いた。
今も、山間僻地の地理条件ながら、鉄道も通じ活気が失われていない町の様子だ。明治に入ってから大きく発展した町並が今に見られるが、建物が建て替えられ、古い様式の建物が少ないのは少し残念な探訪だった。
町並み指数 30
参考文献    
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  1988年
  山口県の地名  平凡社  下中邦彦  昭和54年 


錦町広瀬の町並

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