東出雲町揖屋は島根県東部、中海の南岸に位置し、東出雲町の町役場所在地である。 江戸時代は松江藩領。東西に山陰道が通る。 寛政10年(1798)の意宇郡村々有高輪切帳によると、家数405・人数1,941・牛11・馬4とあり、村内には2町2反余りの町場があり、121軒の町家が本町・東町・新町に分れていた。 文化10年(1813)のの天文方御用手鑑によると、家数440・人数2,230とある。大工・木挽・屋根葺・瓦屋などの職人や廻船問屋・醸造業者もいた 文政年間(1818〜30)頃より揖屋湾の沿岸が埋め立て開発され、幕末から明治期にかけても大規模に埋め立て開発され、同時に松江商人による土地の集積が著しかった。 明治5年の職業は農業124・工業37・商業203・漁業180・雑業75とあり、商業と漁業で成り立っている村のようだった。 大正9年の家数554・人数2,419とある。明治41年には米子から松江間の山陰本線が開通し、揖屋駅が営業を始めている。 今、古い町並みは旧山陰道に沿って展開している。現役の造り酒屋の王禄酒造の辺りが古い町並みとして一番よく、伝統的な古風な家屋が連なっている。 平入り切り妻造り中2階建てが、伝統的様式のようであるが、2階建ての家屋も多く混じっている。赤瓦黒瓦の入り混じった町並で、中には千本格子を残した家も見受けられた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
揖屋の町並 |
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