浜田市長浜町は島根県中央部西寄りの浜田市街から南西に約5km、浜田港に面している。 北西風を防ぎえる日本海屈指の良港で、浜田商港になっているが、江戸時代は鉄の積出港として知られていた。 江戸期を通じて浜田藩領、原井組に属していた。長浜港は石見五港の一つで、中国・朝鮮の史書にその名が見える。御器の港とも呼ばれるように、椀類を多く積み出していた。また、北前船の発達でその寄港地ともなり繁栄し客船帳も残る。津和野藩の蔵屋敷もこの地に置かれていた。 寛政5年(1793)の巡見使案内覚によると、家数268・人数1,154。「郡村誌」によると、家数306・人数1,036とある。 享保年間(1716〜36)短期間であったが長浜組が設けられ、その代官所が置かれたほか、浜田藩の番所もあった。 訪ねた町並みは海岸近くを通る旧山陰道の町並みである。街道筋の町並みであるが、鉄の積出港・特産品の積出港・北前船の寄港する港として、いろんな問屋や商店で賑わっていたであろう、商家の建物が連なる町並みである。赤褐色の屋根瓦の町並みは、切り妻造り平入り中2階建て・2階建てで構成された町並み。過疎に悩んでいるのだろうが、大型家屋や比較的小さな家屋までバラエティに富んでいて、空き家の無住になった家など無いような活気ある町並みに見える。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 島根県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1995年 |
長浜の町並 |
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