江津市都治町の町並 
都治町
地図


都治町の町並
 江津市都治町は江津市街から西北西に約10km程の所にある。村(都治本郷)の中央を江川の支流、都治川が東から西に流れる。古代山陰道の樟道駅(くすちえき)が当村の八幡宮のある引馬の地であったとの説もある。
江戸期を通じて幕府領大森代官所支配地、天明4年(1784)〜寛政4年(1792)は浜田藩領、波積組に属していた。慶長7年(1602)の「黒松村検地帳」にはこれまでの都治本郷の地が、後地・都治本郷・黒松の三村に分かれたことを記している。
元禄10年(1697)の石見銀山領村々覚によると家数本家39・門屋95、人数571・馬10・牛40で猟師鉄砲2挺がある。
寛政5年(1793)の家数134・人数685。うち高持ちは社寺を含めて29戸で、借屋無高の小作農が105(78.4%)もあった。株小作といわれる特殊小作慣行の濃密地域を形成していた。
文政2年(1819)の家数人別牛馬調では家数145・人数773・牛91・馬7とある。
都治盆地は米作地帯であるが、たたら製鉄の残滓による川床の上昇、盆地の特性から都治川の氾濫、江川増水の際の逆流による被害で苦しんだ地域である。
物産として清酒・蝋・桐油があげられるが、共に地元消費で他へ移出することはなかった。
訪ねた町並みは、この地の中心地として小さな集落であった。浅利から都治を通り大家を経て大田に向かう道(県道177号線)、黒松〜都治〜下川戸への県道221号線が交差する場所に発達した町。古代山陰道の駅があったとしても不思議でない場所だった。
町の様子は街道筋の小さな集落で、これと云う大きな特徴は無いと思う。
町並み指数 30
参考文献    
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  昭和54年
  島根県の地名  平凡社  (有)平凡社地方資料センター  1995年

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