湯梨浜町宇野は鳥取県中央部、東郷池の北部、日本海に突き出す岬の間にできた狭小な砂浜に位置し、東西両岬の荒磯には岩塊床が続いている。 江戸期は鳥取藩領。村高は「元禄郷帳」159石余、「天保郷帳」189石余、「元治郷帳」214石余、「旧高旧領」216石余、家数は文久3年(1863)137軒。宝暦3年(1753)頃の村明細書によると人数は409人、小猟船6艘とある。 三方を山に囲まれて平地が少なく、伯耆街道が通る。田畑が少ないため古くから捕漁・網すき生業としてきた。 集落内を歩くと、漁業集落であっただろうが、伯耆街道に沿っては一部町場の様相が残っている所もある。一部在郷町的な性格も持っていたのだろう。街道に面して赤瓦の町並が見られ、入母屋造り・切妻造り、中2階建て・2階建て、平入・妻入り建物が混在する。赤瓦屋根の家屋に混じって黒い瓦屋根の有る町並は色どりが華やかで見栄えがする。 集落の中程に大きな茅葺屋根の民家がある。文化〜天保(1804〜44)、慶応2年(1866)〜明治5年(1872)にかけて河村郡の大庄屋を勤めた尾崎家の家屋である。庭園が国指定の名勝になっているが公開はしていませんと表示され中には入れなかった。大庄屋の建築様式が残ると云われ、書院が明和〜安永(1764〜81)頃の建築と見られることから、名勝の庭園も同時期の作庭と考えられる。 国道9号線を走っていて見つけた町並。得した感じの町並探訪だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和57年 鳥取県の地名 平凡社 平凡社地方資料センター 1992年 |
宇野の町並 |
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宇野の尾崎家主屋 |