井原市美星町黒忠は岡山県南西部、井原市街から北に約10km程の吉備高原南端に位置する。 中世には三斎市の八日市が成立していた。 江戸期は毛利氏の支配を経て、慶長5年(1600)幕府領、元和3年(1617)成羽藩領、寛永19年(1642)幕府領、万治元年(1659)から旗本山崎氏(のち成羽領)。村高は寛永古図で382石余。 元禄12年(1699)から翌々年にかけて、播州姫路藩主本多忠国による検地が行われたが、ここ頃に上・下の二村に分けられたと考えられたようだ。「備中村鑑」では上黒忠村高645石余、下黒忠村高408石余とある。 今回訪ねたのは、上黒忠村高内原の八日市で、八の日に三斎市が立っていた。周辺諸村から物資が集まり、7月8日と12月18日は大市と呼ばれ、とりわけ賑わっていた。八日市の商人が、高山の市にも出向いていた記録も残っている。 この集落も高原地帯の中に突如現れる街村集落で、かって賑わっただろう町の様相に驚く。多くの家屋が商家の建物で、道に面して間口を広げている。中には商を今に続けている家もあり、平入・妻入り・茅葺トタン覆いの家屋も混じり、いろんな家屋形態を有した高原の集落であった。 岡山県の地名 平凡社 下中直也 1988年 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1989年 |
美星町黒忠の町並 |
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