南大社 は三重県最北部のいなべ市の南に位置する集落である。 江戸時代のはじめは桑名藩領、文政6年(1823)忍藩領、天保14年(1843)幕府領、嘉永7年(1854)忍藩領で明治を向えた。 地名の由来は、猪名部神社の氏子の集落で員弁川の南岸に形成されたことによると伝えられている。康生年間(1455)には「大社村」が、天正年間(1573〜92)には「大社之郷」が見える。 天正年間(1573〜92)紀伊国から移住した清水重光が員弁川両岸を開拓して開村したもので、元々は北大社村の枝郷であった。 街道筋の様相を呈した町並であるのは、明治12年から明治29年まで員弁郡役所が南大社に設置され郡政治の中心地であったことと、阿下喜から桑名や四日市への道筋に当たるために賑わっていたのだろう。 地域的には農村集落であろうが、どう見ても街道筋の宿場町か街道町の様相で、一般の農村集落とは異なっている。町並を構成する家屋は、豪商と言われるような古く重厚な商家の建物は無いが、明治から大正期に建てられたような家々が連なり、大正時代に建てられたと思われる郵便局の建物も残り、落ち着いた古い町並を形成していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58 三重県の地名 平凡社 下中邦彦 1983年 |
南大社の町並 |
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