鯛まつりで有名な南知多町豊浜は知多半島の先端から僅かに東寄りに位置する須佐湾にある豊浜漁港に沿って集落が展開している。南知多町には豊浜・師崎・片名・内海などの天然の良港があり、近海漁業の盛んな所である。 この辺りの江戸時代は須佐村といい、須佐の入江とよばれる景勝の地であった。尾張藩領で鳴海代官支配で千賀氏知行地であった。「寛文覚書」によると中須村を含めた村況は家数377・人数767。「徇行記」によると家数439・人数843とある。 須佐村は須佐の入江を抱き、民家は南から北東に建並んでいた。江戸時代には江戸と大坂を往復する船の寄港地として栄えた。古くからの伊勢湾漁業の中心として栄えていた。 運漕業者もおり20〜90石積みのいさば船5艘があり、薪その他の商品を運ぶ小船は7艘。富豪も1〜2の他、小百姓多き所なりとある。 今、古い町並みは豊浜漁港の周りを取り囲むように展開している。漁港の東には絶壁をなす標高60mの天神山があり、南東の風を防ぐ天然の良港で、漁獲高も県下で1〜2位をあげている。かってはマグロを求めての遠洋漁業であったが、今では沿岸漁業と養殖漁業、又ノリ・ワカメの養殖が盛んであり、観光客や釣り客・海水浴客も多く訪れ町並みにも活気がある。 国道247号線に沿ったところは殆ど建替えられて新しくなっていますが、山側に入ってみると、黒板張りの民家が点在する漁師町の様相をあらわす。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1989年 愛知県の地名 平凡社 下中邦彦 1981年 愛知県の歴史散歩上 山川出版社 愛知県高等学校郷土史研究会 1996年 |
豊浜の町並 |
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豊浜の町並み |
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