上川村には伊勢参宮街道が通っている。江戸のはじめは松坂藩領。元和5年(1619)からは紀州藩松坂領。文政7年(1824)には伊勢参宮街道の旅人を対象とした接待所が建てられていることを見ると、上川村は街道筋の宿場や茶屋として大きく発展しなかったのだろう。 明治2年の大指出帳によると家数120軒・人数542人(8歳以上)という。穀物の他に産物に木綿・煙草がある。 江戸時代には大勢の伊勢参宮客が通ったであろう街道筋だが、これといった賑わいの記録が無い。通過するだけの農村集落だったようだが、今に残る町並をみると、どうしてどうして立派な街道筋の町並の様相を呈している。街道を行く旅人を相手に各種の商売が営まれていたことは今に残る町並からも想像出来る。 切り妻造りや入り母屋造りで、平入りの家屋が連なる。中2階建てで千本格子を残し、霧よけのオダレも備えた家もある。建築年代は明治から昭和にかけての物が多いと思われた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58年 三重県の地名 平凡社 下中邦彦 1983年 |
上川町の町並 |
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