飯南町横野
地図
飯南町横野の町並
| 松阪市飯南町横野は三重県中部、櫛田川中流域に位置する山間部の集落。 和歌山と松阪を結ぶ和歌山街道が通る。和歌山街道は紀州藩和歌山城下と紀州藩松阪城下を結ぶ重要な街道で、寛永２年(１６２５)から享保２０年(１７３５)まで参勤交代路として利用されたほか、大坂・大和方面からの参宮者、大峰山登拝者が盛んに往来した巡礼路でもあった。今、国道１６６号線として、殆ど旧街道をなぞっている。 この飯南町横野の東端で伊勢本街道と合流していて、この地は交通の要衝であって、宝暦１３年(１７６３)の新撰伊勢道中細見記によると、茶屋が並ぶほどの賑わいであった。 江戸時代のはじめは松阪藩領、元和５年(１６１９)から紀州藩松阪領となり明治を向かえる。 寛文４年(１６６４)指出帳によると家数６３・人数１４６。明治２年大指出帳によると家数８０・人数３８９とあり、産物に煙草・紅花があり、農間余業に隣村深野村の紙漉き関連の仕事をしていたようだ。 今、町並みは旧和歌山街道がそのまま拡張されて国道１６６号線になったようで、国道の両側に伝統的な様式の商家建物が並ぶ。平入り妻入りの家屋が混在した町並みである。伝馬所があるような宿場町ではなかったが、旅籠や茶屋などの街道筋の商売が成り立っていたと思われ、伊勢参宮客が往来した当時の賑わいを、今も感じられる町並みである。また、在郷町的な性格もあったような町並みの様相であった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和５８年 三重県の地名 平凡社 下中邦彦 １９８３年 |
 飯南町横野の町並 |
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