伊勢市有滝町は三重県中東部で伊勢湾に面し、外城田川河口左岸の沖積低地に位置する。 江戸期は山田奉行支配の幕府領で、「慶安郷帳」では村高303石余のうち田方173石余・畑方129石余である。「元禄郷帳」313石余、「天保郷帳」334石余、「旧高旧領」343石余。 江戸時代初期には山田奉行所管轄の船倉が設置され、寛文8年(1668)には同奉行花房志摩守幸次の居宅があった。 寛保3年(1743)の村明細帳によると家数152・人数735、漁船76あり、地引網6、ブリ網7で漁業を中心とする村であった。嘉永4年(1851)の記録でも家数132で、農間に漁業を営んでいるとある。 この有滝村も御多分に漏れず、村松・東大淀・中大淀・樫原・土路などの近隣諸村と漁場の境界や漁業権を巡ってしばしば争論を繰り返している。 今、有滝町は半農半漁の板張り家屋の集落である。農業は稲作が主である。漁業は小型底引き網による漁業で、他にアサリ・ノリの養殖が行われている。 集落を見ると漁村の密集地域でなく、農村の様な感じを受ける集落だったが、海岸沿いの平坦低地のため、津波時の注意が集落内の各所に掲示されていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58年 三重県の地名 平凡社 下中邦彦 1983年 |
有滝町の町並 |
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