阿下喜は三重県最北端の町いなべ市のほぼ中心に位置している。 江戸時代を通じて桑名藩領であった。文政7年(1824)の村明細帳には戸数219・人数945とあり、すでに商業集落として発展があったらしく、市役米や夜廻給もあり、文化年間(1804〜18)には桑名への高瀬船による運送業が開始されている。 文政10年(1827)の桑名領郷村案内帳によると、毎月3日に市が開かれ、家数は227・人数962であった。更に「員弁雑志」には「当村は古来より人家町並で諸商い多く、毎月六斎日には市があり、酒造家や旅籠などもあり、繁栄の村と書かれている。よって江戸末期には都市的要素が強い繁栄していた町であっただろうことが伺える。明治5年の村明細帳には家数244・人数1,020とある。 この地域の古書文献などが見つかっていないのか、歴史の資料が少ないが、阿下喜の古い町並は東西に延びる西町通り(巡見街道)と、南北の通りの本町通り(大垣・一宮に向う)に展開していた。 阿下喜はこの地の在郷町の中心として機能していたのだろう。平入り・切り妻造りで虫籠窓や格子窓を備えた中2階建ての商家の建物が連なっている。とはいって大多数は何らかの改修がなされているが、それでも古い町並が立派に残っていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58年 三重県の地名 平凡社 下中邦彦 1983年 |
阿下喜の町並 |
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