?梼原町(ゆすはら)町永野は高知県北西部、愛媛県との県境で、四万十川の支流梼原川の支流永野川の上流域に位置する。 江戸期は越知面(おちめん)村の枝村で土佐藩領。永野村の村高は寛永地検帳101石余、寛文7年(1667)の郷村石付きでも同高、寛保3年(1743)の郷村帳50石余、「天保郷帳」151石余。 寛保3年(1743)の郷村帳によると家数43・人数258、牛15・馬20、猟銃19。「土佐州郡志」では越知面村の小村の一つとして見え、享和元年(1801)の「西郷浦山分廻見日記」によると家数45〜6軒とあり、焼畑農業が盛んに行われていた。 伊予国と国境を接するため、永野村には早くから番所が設置され、明暦2年には永野口番所、寛政年間(1789〜1801)には永野口番所から分離して唐岩口番所が設置された。 これらの番所を経由して伊予国の商人が出入りした。土佐藩では楮草・紙などの国産品の他国売りを厳しく統制していたので、監視が必要であった。 この集落を訪ねたのは、国道440号線の地芳峠を南に下った所で、天界の集落を見かけたので立ち寄ったもの。集落はかたまったものでなく、傾斜地に点在していたが、集落内にある田んぼの畦は全て石積みであり、先人の苦労が忍ばれる探訪だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和61年 日本の地名高知県 平凡社 下中邦彦 1983年 |
永野集落 |
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