内子町吉野川は愛媛県中南部、肘川の支流小田川と北から流れてきた田渡川が合流する地点に位置する交通の要衝。 江戸期は大洲藩領。吉野川と改称されたのは天保9年(1838)のこと。それまでは下田渡村と云われていた。 「大洲旧記」によると吉野川とあるが、元和(1615〜24)の頃、吉野川から上田渡村・中田渡村・下田渡村と分かれたと推測される。その内の下田渡村が旧吉野川に改称されたもの。 村高は「旧高旧領」198石余。「浮穴郡地誌」によると、村の広さは東西30町・南北60町、家数103・人数501、特産は米・麦のほか大豆・小豆・蕎麦・煙草・茶など。 今も交通の要衝に変わりなく、松山から砥部・広田を経て吉野川から内子に通じる道路(国道379号線)と、吉野川から久万高原町を経て落合までの道路(国道380号線)の分岐するところであり、明治から大正期に建てられた家屋が連なる町並が展開している。大きく在郷町として発展はしていないが、物資の交易や宿場町的な要素は有ったようで、今でもお遍路客目当ても旅館や食堂が営業していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和56年 愛媛県の地名 平凡社 下中邦彦 1980年 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |
吉野川の町並 |