仁淀川町椿山は高知県北西部、愛媛県の石鎚山の南約10km、仁淀川の支流池川川の支流土居川の支流椿山川の上流域に位置する。標高約600mの東面した僅かな緩い傾斜地に立地する集落である。 山中の隔絶境で平家伝説が根強く残っている。集落の中心に仏堂があり、屋根の葺き方や堂内の装飾に特徴があり、彫刻には平家蟹があしらってあるそうだ。 集落には水田が無く、江戸期はすべて留山で耕作地も少なく、加えて急斜面のため、他集落の山林を焼畑としてヒエ・トウモロコシ・豆類・ソバを栽培し自給していた。焼畑農業は高知県下で最後まで行われた地で、昭和50年台中頃まで見られた。 「土佐州郡志」によると椿山は槇・檜・樅(モミ)・栂(トガ)など良質の木材の産地で、重要な藩の留山であった。 近年国有林の経営不振のため離村者が多く、この地に残された仏堂の念仏踊りの椿山太鼓踊りの奉納も不可能になっている。 集落内の道は等高線に沿っては平坦な細い道であるが、傾斜に沿った道は全て階段になっている。 明治24年の家数45・人数248とある。 今、集落は3世帯3人が暮す集落になってしまい、典型的な限界集落のようだ。男性一人が区長で他には60歳代と70歳代の女性が一人づつ生活されていた。仏堂の近くにお住まいの女性に話を聞くと、私が小学生の頃、この集落にも小学生が40人もいたとの話をされていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和61年 日本の地名高知県 平凡社 下中邦彦 1983年 |
椿山の町並、この階段もメイン道路 |
椿山の町並 |
椿山の町並 |
椿山の町並 |
椿山の町並 |
椿山の町並 |
椿山の町並、中心地のメイン道路 |
椿山の町並 中心地のメイン道路 |
椿山の町並 |
椿山の町並 |