久万高原町西谷は愛媛県の中南部、四国山脈の急峻な山々に囲まれ、仁淀川の支流面河川の更に支流黒川の上流域に位置する。 江戸期は松山藩領。村高は「慶安郷村数帳」では259石余、「元禄村浦記」「天保郷帳」「旧高旧領」ともに259石余。寛保元年(1741)頃の「久万山手鑑」には田は僅か3反・畑30町9反余、家数219・人数1,154、馬73・牛2とある。 西谷村の中久保集落は標高850〜900mの傾斜地に立地する小さな集落で、耕地の細分化を防ぐため、江戸期から最近まで100年以上にわたり、戸数18戸を守ってきた。各戸の土地所有が均等であり、耕地0.4ヘクタール、山林50ヘクタールを各戸が所有し、生活程度も均質的であった。しかし昭和30年に一戸が転出し、訪ねたときにはこの集落で暮しているのは7軒で人数は9人とのことであった。 この集落を訪ねたときには、珍しく50歳代と思われる男性二人が、農作業の手を休めて話し込んでおられた。聞けば休みを利用して母親を訪ね、畑仕事を手伝っているとのこと。 この集落に暮す方は少ないが、なかなか裕福な集落との印象を受け、限界集落とは縁が無い印象だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和56年 愛媛県の地名 平凡社 下中邦彦 1980年 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |
西谷中久保の町並 |