香南市夜須町坪井の町並み 
夜須町坪井
地図


夜須町坪井の町並み
 香南市夜須町坪井は高知市の東約20kmに位置し、旧夜須町の南部海岸沿いの、夜須川河口西岸の町だ。海岸に沿った土佐東街道は近世初頭から参勤交代の道であったが、高知と室戸の間には良港が無かったので、土佐藩家老野中兼山はこの地に港を造ることを計画し、小倉三省を普請奉行として承応元年(1652)に手結に港を造った。
この港のお陰で、この地は漁業・農業・林業を主産業として発展するようになった。
江戸時代には横山村といったが、大きくは夜須村の枝村だったようで、夜須川流域を結ぶ道を分岐した交通の要衝であって街区をなし、北部の農村地帯や港を中心とする手結浦とは異なった地域色を有していたが、村域がきわめて狭いため、行政上は夜須村として扱われ、江戸時代には実体も無く、明治に入り村名も自然に消滅してしまった。
夜須村は寛保3年(1743)の郷村帳では、家数330・人数1,650とある。
江戸時代には土佐東街道と夜須川流域の物資の集散地・在郷町として機能していたようだ。
そして今でも旧土佐東街道沿いと夜須川に沿った北への道に沿って町並みが展開している。だが、伝統的な様式の建物は少なく、この地特有の水切り瓦を備えた土蔵や民家も一部に見られただけだった。
町並み指数 20
参考文献  
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  昭和61年
  日本の地名高知県  平凡社  下中邦彦  1983年

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