伊予市双海町上灘は愛媛県中央部東、伊予灘に面する海岸、上灘川の河口部に位置する。 江戸期は大洲藩領。村高は「元禄村浦記」では667石余、「天保郷帳」707石余、「旧高旧領」1,012石余。寛文年間(1661〜73)の「西海巡見志」では家数59、舟19艘、うち9は45〜100石積の荷船で、加子数54。 上灘には大洲藩上灘御蔵があって、浮穴郡など13ヶ村の年貢米が集められ、大洲御蔵奉行が上灘浦から船積みして大坂蔵屋敷まで送られた。 「大洲秘録」では元文4年(1739)頃の村の物産品は米・大豆・蕎麦・笘・海鼠であった。 「浮穴郡地誌」によると、村の広さは東西2里・南北1里、家数751人数2,820、商船14・漁船77・荷車150・牛85・馬69とある。 上灘を中心として江戸時代から鰯網漁業が盛んで明治以後も続いた。海上と背後の山の魚見櫓から連絡を取り合って、山上から鰯の回遊を漁船しらせる方法で鰯漁をやっていた。 今、古い町並は海岸線に沿って南北に続く街道と、上灘川河口から上灘川に沿って内陸部に入る道の交差点当たりに展開している。中でもこの街道の交差した所から上灘川に沿った道の両側に、伝統的な様式で建てられた建物が連なっていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 愛媛県の地名 平凡社 下中邦彦 1980年 |
双海町上灘の町並 |
双海町上灘の町並 |
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