雲仙市国見町神代乙は島原半島の最北部に位置する。平成17年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された神代小路から神代川を隔てた北側(海側)の地域である。 神代鍋島陣屋町の町人地として形成されたものと思われ、陣屋から神代川を隔てて島原街道に沿って町人町が造られた。 江戸時代は西神代村といい、川東・川西などの集落からなっていた。西神代村に鍋島氏の陣屋が置かれていたが、西神代村内でありながら、行政的には神代町として扱われた。 文化9年(1812)には家数280とあり、嘉永2年(1849)には家数334・人数1,427・漁船28・廻船2で、50石積み船1とある。 古い町並みは旧島原街道沿いに展開している。漆喰塗込めの町家が続く。平入り・妻入りが入り混じる入母屋造りの商家の建物が連なる。桟瓦葺きだが重厚で間口の広い建物で、中にはナマコ壁を設えた家屋も見られた。 小さな神代川を隔てて、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている神代小路と、この様に趣の全く異なる町並みがあるのも不思議と思えるが、町の生い立ちを考えると成程とその違いに納得できる町並みであった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和62年 長崎県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 2001年 |
国見町神代乙の町並み |
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国見町神代乙の町並み |
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