霧島市溝辺町麓の町並
溝辺町麓
地図


溝辺町麓の町並

 霧島市溝辺町麓は鹿児島県中央部、霧島山西麓を流れる天降川右岸のシラス台地上に位置する。
麓村は鹿児島藩直轄領。外城の一つ溝辺郷。竹子・三繩・麓(溝辺)・有川・崎森の5ヶ村からなる溝辺郷の一村だった。
江戸時代初めは鹿児島藩直轄領であったが、寛永8年(1631)加治木島津氏の家臣の給地となり、万治2年(1659)再び鹿児島藩直轄領となった。
麓(溝辺)村は溝辺郷の中心地で、宝暦3年(1753)に地頭仮屋が有川村に移されるまでは、麓村玉利を中心に郷士が居住していた。
麓村の村高は、「天保郷帳」では1,315石余、「旧高旧領」では1,044石余。明治14年の記録では家数230・人数996、うち士族96・431、平民134・565とある。
当地に住む人の多くは幕末から明治初年にかけて、南薩摩から移住して十三塚原の原野を開拓した人々の子孫で、その開拓精神を受け継いで豊かな農村地帯を造り上げてきたのだろう。その代表的なものに茶業がある。明治期に京都や静岡でお茶栽培を学んで広めたもので、霧島茶としても有名である。
麓は麓集落としては特別特徴がある訳でないが、一般的には麓集落は行政・文化の中心になっている場合が多いが、この麓は地頭仮屋が早くに有川村に移ったにも拘らず、麓の集落風景が今に残っているのはどうしてだろうかと思いながらの探訪だった。
町並み指数  30  
参考文献
   角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  昭和58年
   鹿児島県の地名  平凡社  (有)平凡社地方資料センター  1998年


溝辺町麓の町並

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