菱刈前目
地図
菱刈前目の町並
| 伊佐市菱刈前目は鹿児島県の北部、北西にながれる川内川上流部北東岸に位置する。 江戸期の前目村は大隅国菱刈郡馬越郷のうち。村高は「天保郷帳」１，７６７石余、「旧高旧領」２，４５４石余。馬越郷の中心をなし、地頭仮屋が置かれていた。 川内川に沿って大口筋（薩摩藩では街道のことを筋といい、この場合は大口街道）が南東から北西にのびていた。菱刈郡馬越郷の麓があり、馬越氏の居城馬越城の跡地の南側に地頭仮屋が置かれ（現市役所の菱刈支所・現菱刈小学校）麓集落が形成されていた。麓の北側に野町（本町地区）があり、商品の売買がなされていた。 寛永８年（１６３１）加治木島津家の創設とともに同家領となり、同年の島津家久知行目録に高１，９７１石余とある。寛文４年（１６６４）の郡村高辻帳では高１，７６７石余。元禄国絵図では前目村のうちとして馬越村を記す。「三州御治世要覧」では延亨頃（１７４４〜４８）の高は２，７４０石余、「旧高旧領」では２，４５４石余。明治１６年の家数は士族１０４・平民１５７、人数は士族３６４・平民５６８。 麓集落の特徴の生垣・石垣のある光景は、旧大口筋（街道）に沿って展開していた。この地は菱刈盆地内でかっては氾濫に悩んだ地域のためか、各家の敷地は道路よりも高く、石垣が積まれた上に生垣が植えられていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大が辞典編纂委員会 昭和５８年 鹿児島県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター １９９８年 |
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