壱岐市湯本浦は長崎県の北部、壱岐島の北西部、湯本湾の南東岸に位置する壱岐島唯一の温泉地。 江戸期は平戸藩領、壱岐八浦の一つ。 立石村内だが、浦方の支配下におかれ農村部の在方とは区別されていた。 この地は古くから温泉が知られ、神功皇后が三韓出兵の帰途応神天皇の産湯に使ったのと伝承があるほど、温泉が古くから知られていた。 当浦の起源については、「松浦家世伝草稿」には寛文元年(1661)湯の元潟に表48間・入25間の新地を築き、浦人家敷25軒を建て、湯客の宿としたという。また、「壱岐名勝図誌」では寛文2年(1662)秋に守護代山本甚左衛門清方が州渚を埋めて、湯浦及黒崎浦、浦海浦の民家を移して、浴泉に便利な集落としたのが始まりとも伝える。 「壱岐国続風土記」には寛政10年(1798)の家数60・人数256、牛17、船10で、当地の民家は布気村湯浦から移ったという。弘化2年(1845)の「壱岐国惣図打添」では家数68・人数327、船9うち伝通船6とある。明治26年の家数87・人数368。 今、湯本浦を訪ねると鄙びた温泉地との印象を受ける。旅館や民宿が数軒あり、国民宿舎もある温泉地だが、土産物屋もない温泉地だ。 温泉地としての古い町並はなかったが、旧街道筋に面して伝統的な様式の家屋が連なっている所があり、意外性がある古い町並が展開していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和62年 長崎県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 2001年 |
湯本浦の町並 |
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湯本浦の町並 |
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