福岡市博多区上呉服町は福岡市内を流れる御笠川下流左岸に位置する。 江戸期の旧町名は蓮池町といい、今の上呉服町と中呉服町の一部が含まれていた。以前は寺町と云われていて、今でも多くの寺院が建ち並んでいる地域。 慶長15年(1610)の御祓賦日記に「蓮池」とみえる。元禄3年(1690)の家数21、明和3年(1766)の家数21、慶応2年(1866)の家数6とある。 「続風土記」には蓮池町・寺町の寺院として本岳寺・本長寺・本興寺・妙展寺・善導寺・法性寺・入定寺・光明寺が揚げられている。中世からの位置を保ったという善道寺の他は、慶長〜元和(1596〜1624)年間に博多東端を防衛するために移建された寺院で寺町を形成したという。 この地域は戦災で焼けなかったと知り訪ねたものだが、開発の波は容赦なく襲い掛かり、古い町並は残っていなかったが、伝統的な様式で建てられた家屋が点在していた。大都会の中心部に近く、地下鉄をはじめ交通機関には恵まれた地域にも拘わらず、これだけ多くの古い様式の民家が残っているのは驚く。でも取り壊され歯抜けになったところも多く、年々伝統的な様式の家屋は無くなっていく運命にあるのだろうと思う。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和63年 福岡県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 2004年 |
博多区上呉服町の町並 |
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