比良松村は筑紫平野の東部、甘木の南東8kmの所に位置する。村の中央附近を北から西に桂川が流れ、村中を日田街道(朝倉街道)が通る。 江戸時代を通じて福岡藩領。この地方の主産業は米作中心の農業である。上座米と呼ばれ最良品と云われた。米作以外では上座煙草や木蝋であった。 蝋生産は藩財政上からも重視され、櫨栽培が奨励され、全国的にも筑前櫨の中心地となっていた 元禄5年(1692)では家数48・人数237。寛政期(1789~1801)の家数64・人数292とあることから、筑紫平野東部で日田街道に沿った寒村であったが、小さな在郷町的な性格も有していたのだろう。 寛文4年・寛延2年にそれぞれ博多まで水運で結ぼうと工事に掛かるも分水嶺があったり、水量不足などで頓挫してしまっているなど、江戸期には幾度となく博多まで米を運ぼうと試みているが何れも失敗している。このことは当地方が有数の穀倉地帯であった証である。 今、古い町並みは旧日田街道に沿って展開している。妻入り入母屋造りの商家建物が連なる。見事な古い町並みを展開しているが、規模は小さくせいぜい200m位である。 比良松の町並の特徴として千本格子が多く残っていることである。ナマコ壁が少し残っているのは良く見かけられるが、千本格子の町並みがこれほど連続して残っているのは賞賛に値すると思う。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和63年 福岡県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 2004年 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |
比良松の町並 |