飯田市上村下栗地区は長野県南部、飯田市街から小川路峠を越えて(今は三遠南信自動車道の矢筈トンネルを抜けて)南東に約25km程に位置する。天竜川の支流遠山川の上流域で、両岸は急峻な崖が連なり、源流は赤石山脈である。 この地域は遠山郷と呼ばれ、愛知県・長野県・静岡県に跨る大きな地域であり、この上村下栗地区はその最北端の集落の総称である。また、三河・遠州・南信濃に跨ることから三遠南信地域とも云われます。 江戸はじめは旗本遠山氏領であったが、百姓一揆とお家騒動により改易となり、元和3年(1617)から幕府領となる。 下栗地区は標高1000m前後の高地で、40度近い傾斜地の山肌に家々や畑が点在する。 流石に集落のあるところは40度も傾斜がないだろうが、集落内の道は右に左にと急傾斜 を登っていく。まさに「天空の里」である。「日本のチロル」と唱えられているところ。家々は急傾斜地のため、山側を削りとり、谷側に石垣を積んで、等高線状に横に長い敷地を確保して建てられている。 集落は本村・本村下・南・半場・帯山・中根・最奥の大野……等などの小さな集落がある。そして集落の上部に高原ロッジ下栗という食堂・宿泊施設がある。小学校の分校跡にこのような施設と大きな駐車場を設けたもの。近年この駐車場から集落を見渡せるビューポイントまでの遊歩道が集落の人々が総出で造られたそうで、約20分程かかって辿り着いたが、なかなか見られない集落の俯瞰が見られ、鳥になった気分を味わえる。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1990 長野県の地名 平凡社 下中邦彦 1979年 |
上村下栗の町並 |
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