阿南町新野は長野県最南部、愛知県と接する県境の町。山峡の町阿南町にあって、標高800mの高原性盆地の新野は阿南町では唯一平坦地であり、新野千石平とも云われていたところ。 江戸はじめは飯田藩領、慶長18年(1613)幕府領、元和3年(1617)飯田藩領、寛文12年(1672)幕府領、天和元年(1681)から美濃高須藩領となり明治に至る。 中世には関氏の本拠、日差城が新野盆地のほぼ中央にあったが、天文13年(1544)下条氏に滅ぼされている。 新野には信濃と東海道を結ぶ遠州街道(現国道151号線)が通り、中世の城下町でもあり、この地方の政治・経済・文化の中心地として大きな町場が形成されていた。外に東西に遠山郷と売木・平谷を経て美濃への道(現国道418号線)が新野で交わる交通の要衝でもあり、多くの物資の集散が中馬によって行わ、一大在郷町として発展したようだ。 今この町を訪ねると、町の賑やかさにびっくりする。山間部の寂れた町並みを予想していたのが、見事裏切られた感じの町並みが展開していた。平入り切り妻造りの家屋が多い中に、入母屋造りの妻入りの家屋も混じる町並みで、この地域独特の特徴ある町並みでなかった。 また、新野の雪祭りは国の無形民俗文化財に指定された祭りであり、新野の盆踊りも旧遠州街道沿いで行われる珍しい盆踊りである。 長野県の歴史散歩 山川出版社 長野県高等学校歴史研究会 1996年 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1990年 長野県の地名 平凡社 下中邦彦 1979年 |
新野の町並 |
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