湯峯温泉は和歌山県東部、熊野川支流、大塔川支流、四村川支流、湯峯川河畔にある山峡の温泉地。 日本最古といわれる温泉で、第13代成務天皇(西暦132〜190)の時代に発見されたと伝える。平安時代には熊野三山参詣を済ませて本宮に着いた上皇や貴族は、本宮参拝の後に、疲れを癒すため湯峯に入湯した。 鎌倉時代末期頃になると、熊野本宮参拝前に、湯峯の温湯で湯垢離が行われた。江戸期になると、熊野街道中辺路の三越峠から久保野村を経て、湯峯温泉で湯垢離をとった後、本宮に参詣するのが一般化したといわれている。 湯峯村は江戸期、和歌山藩領御藏所で、「天保郷帳」「旧高旧領」ともに64石余。谷間に僅かに耕地があるだけの山村だが、江戸期より温泉の湯治客で賑わってきた。明治6年には家数20・人数98とある。 明治期から昭和初期にかけて、当地域は湯峯温泉・川湯温泉への湯治客の他に、林業を基幹産業として、他に農業を営み人口の増加を見て、昭和55年には家数43・人数120を数えたが、今は過疎化に悩む集落になっている。 今、湯峯温泉は川の両岸に旅館が建ち並び、活況を呈した旅館街を見せていた。温泉街の上手の川原に「つぼ湯」がある。熊野詣での湯垢離場として世界遺産に登録された温泉。小さな温泉で2〜3人が入れる程度のものだが、日に7回も湯の色が変わると云われる不思議な温泉である。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和60年 和歌山県の地名 平凡社 下中邦彦 1983年 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉の旅館 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉のつぼ湯 |
湯峯温泉の町並 |
湯峯温泉の旅館 |