伊勢本街道が通る曽爾村山粕は山粕川にそった小さな集落である。 江戸時代はじめは松山藩領、元禄8年(1695)からは幕府領のまま明治を向える。 かっては伊勢本街道に沿っていたので人馬の往来も多く、これらを客とする旅籠や飯屋・茶屋などがあり賑やかだったようだが、今はひっそりとした山間の普通の集落になっていた。 残っている文献によると、この地では絞り油商もいたし、造り酒屋もあったようだ。また浄瑠璃が盛んであったようで、多くの版本や写本が残っている。 明治15年ころの家数93・人数486とあり、特産は煙草であった。今 集落内を歩いても、伊勢へ伊勢へと「おかげ参り」で人が通ったとは想像もできないし、これといった面影も残っていなかった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 1990年 奈良県の地名 平凡社 下中邦彦 1981年 |
山粕の町並 |
山粕の町並 |
山粕の町並 |
山粕の町並 |