養父市大屋町大屋市場は兵庫県中央西部、円山川支流の大屋川右岸、同支流明延川流域に展開する。 江戸はじめは出石藩領、慶長18年(1613)岸和田藩領、元和5年(1619)再び出石藩領、一時収公されたこともあるが出石藩領が続き、天保7年(1836)幕府領となり幕末に至る。 村高は出石封内明細帳によると114石余、家数98・人数561、鉄砲7。「天保郷帳」130石余。 大屋道は大屋川沿いに西進する西谷道と、明延川沿いに南下する南谷道に分岐し、その分岐点辺りに発達したのが大屋市場である。交通の要衝として古くから定期市も開かれ、西谷や南谷一帯の交易の中心地として賑わった。 定期市は毎年6月15〜18日、7月6〜11日、12月21〜25日に開かれていた。市で扱っていたものは、温石・葡萄石・牛・麻糸・煙草・玉石・蝋石・蚕種・山桑・繭・ウドなどであった。 江戸時代末期の開港・貿易の開始によって、生糸が日本の主な輸出品となり、但馬地方でも明治期以降養蚕が盛んになり発展していった。 今回訪ねたこの大屋市場にも多くの養蚕農家の建物が残っているが、大屋町の他の所と少し異なるのは、在郷町の様相が強い町並である。近隣の物資集散地として賑わっていた証であろう。 中には本卯建を揚げた家もあり、土蔵にも卯建があがっているのには驚いた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和63年 兵庫県の地名T 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1999年 |
大屋町大屋市場の町並 |
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