江原は兵庫県北西部、円山川中流域の左岸に位置する。 有子山城(出石城)城主の前野長泰領を経て、文禄4年(1595)からは出石藩領。 山陰道と八鹿で分れた但馬街道は江原を経て豊岡城下へ向かい、円山川の水運にも恵まれた当地は水陸交通の要衝にあり、町場として出石藩主から諸役免除の特権を受けて発展した。 宝暦9年(1759)の家数70・人数316・川船2とある。 享和2年(1802)の菱屋平七長崎紀行に「江原村、人家百四五十軒、茶屋あり、商家多く酒造の家あり」とある。江戸末期の江原町絵図には街道沿い両側に人家が建ち並ぶ景観が描かれている。 明治42年山陰線が城崎まで開通し、江原駅が開設され、商店街が発展した。 古い町並みとしての情報は無かったが、但馬街道沿いには古い町並みがあるだろうとの予想で訪ねた。現国道312号線沿いに但馬地方らしい、切妻造り平入り、2階建てガラス窓の間口の小さな家が連なっている。この地方に多い間口が狭いのに卯建を揚げた家は見かけなかったが、大型の商家建物には立派な本卯建が揚がっていた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 兵庫県の地名T 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1999年 |
日高町江原の町並 |
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