宍粟市一宮町東市場は揖保川上流部で、その支流染河内川の合流点の南に位置する。 東市場村は明治12年に改称された名称で、宍粟郡内にもう一つ市場村があり、混同を避けるため、東市場村と改称されたもの。 中世は神戸庄に含まれていて、もとは須行名村の一部、寛文2年(1662)同村から分村して成立したと思われる。正保郷帳では市場の名前は見えず、神戸村の名がみえる。 寛文4年(1664)の知行目録にも神戸村が見え、元禄郷帳では神戸市場村に「神戸」の肩書がある。元禄郷帳による市場村の村高は514石余。 元和元年(1615)山崎藩領、慶安2年(1649)幕府領、享保元年(1716)からは安志藩領。 寛文〜延宝年間(1661〜81)の家数43・人数288、馬12・牛51。明治14年の家数107・人数447とある。 古い町並は旧因幡街道と新しい因幡街道(国道29号線)に沿って見られる。交通の要衝だったので小さな在町を形成していたようで、明治期に建てられたと思われる古い伝統的な様式の家屋も散見できた。建築年代は明治〜昭和中期と思われる比較的新しい建物が多い。山陽から山陰方面に移ってくると、石州瓦と云われる赤瓦の建物が多くなってくる。約1/3程度は赤い瓦のようだったが、落ち着いた宿場町的な感じの町並だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和63年 兵庫県の地名T 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1999年 |
一宮町東市場の町並 |
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