安立は大阪市の西南部に位置する住之江区の東端で、住吉区と接している。 古くから集落の中央部を南北に通る紀州街道沿いに発展し、街道町を形成していた。 万葉集に見える「あられ松原」は当地と考えられ、堺まで続く松原であって、その西側は海であったとは今では想像もできない。 古くより住吉社領で江戸時代の天保郷帳には安立町として65石余、住吉社領とある。 安立町の西側の海は、元禄期〜宝永年間(1704〜11)以降にかけて現在の大和川河口付近を中心に新田開発が行われた。宝永4年(1704)に完成した大和川付替え以降は、急ピッチで新田開発が行われた。享保8年(1723)の北島新田を皮きりに、18世紀〜19世紀にかけて南島新田・加賀屋新田・駒井新田・桜井新田・村上新田・庄左衛門新田・柴谷新田……等が開発され、陸地が西へ西へと広がって行った。 安立には街道の旅客相手の商家が多く軒を連ねていて、「摂津名所絵図」には小町茶屋がみえる。製針業や種子商を営む者も多かった。 今の安立も江戸時代と変わりなく、旧紀州街道沿いに、アーケードの下で商店街として活気ある町並みを展開していた。でも古い伝統的な家屋もアーケード下に僅かに残っているが、商店街の看板などに覆われていて見栄えがしなかった。でも商店街のアーケードが無くなった所には、古い様式で建てられた間口の広い商家の建物が点在していて、かっての紀州街道を様相を彷彿させる名残があった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58年 大阪府の地名 平凡社 下中邦彦 1986年 |
住之江2丁目の町並 | 住之江2丁目の町並 |
安立3丁目の町並 |
安立3丁目の町並 |
安立3丁目の町並 |
安立3丁目の町並 |
安立3丁目の町並 |
安立4丁目の町並 |