岸和田市阿間河滝町は、大阪府南西部にある岸和田市域の中央部西端で、貝塚市と接し津田川左岸に位置する。 江戸時代は岸和田藩領で、寛文10年(1670)の家数37・人数221とある。明治9年の人数464、明治22年の人数541とある。元禄初年の「泉州志補遺」によると稲作の他に木綿が一割・菜種が一割半程であった。下がって文化5年(1808)では、稲作88パーセント(8町6反余り)、綿作12パーセント(1町2反余り)。慶応2年(1866)の作付率は稲作90パーセント・綿作10パーセントとある。尚、安政3年()の甘藷植え付け高は新田畑高110石余りのうち5石余り(5反余り)。 この集落は偶然通りかかって見つけたもので、遠くに大きな家屋の農村集落があるなあと思い、メモしておいて後日改めて訪ねたもの。聞くところによると大阪府が作成した「大阪まちなみ百景」という写真集に載っているとのこと。狭い急な坂道の両側には石垣が積み重ねられ、階段状に配置された門長屋の連なる本通りと称せられる光景には圧倒される。また、天然記念物に指定されている椋の大木のある旧庄屋の表構えも見事なもの。人々の時代を超えて伝統的な様式の家屋を守ろうという意気込みが感じられる農村集落であった。 大阪府の地名U 平凡社 平凡社地方資料センター 1986年 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和58 |