神河町寺前は播磨地方の北部、瀬戸内海に注ぐ市川と支流小田原川の合流点付近に位置する。 江戸期はじめは姫路藩領、寛永17年(1640)鳥取藩領、寛文3年(1663)福本藩領、寛文6年(1666)からは旗本池田氏領、慶応4年(1868)からは福本藩領。寺前村の村高は「正保郷帳」283石余、「天保郷帳」285石余、「旧高旧領287石余。 最明寺の山麓に展開する村であることから寺前と称したとの伝承がある。江戸期以来、生野銀山の鉱害を受け、市川本流では近年まで川魚が殆ど生息せず、農作物の生育も不振であった。そのため畜牛飼育・養蚕・木炭生産などへの依存度が高かった。明治27〜28に播但線が開通し、林産業が盛んになり活況を呈するようになった。 とは言え、江戸期から明治初期は農業主体の普通の集落であったが、播但線寺前駅が開設されてからは駅前に商店が集まって来て、商店街が形成されていった。 今は、その商店街も殆どが店を閉めてしまい、伝統的な様式の家屋が点在する程度の町並になってしまった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名辞典編纂委員会 昭和63年 兵庫県の地名U 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1999年 |
寺前の町並 |
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