尼崎市寺町の町並
寺町・解明町・西桜木町・西御園町
地図


寺町の町並
  尼崎市寺町は兵庫県の南東端、神崎川の右岸、河口近くに位置する。
尼崎は中世には西日本からの木材の集散地として発展した。箕面の勝尾寺の普請、京都祇園の大鳥居の巨材、京都石清水八幡宮再建、京都東寺の普請などの木材は、尼崎の木材商が係るなど、材木の集散地としての地位を固めていた。
また、今の寺町にある大覚寺や本興寺は当時尼崎の町中に寺内町を構え、多くの商工業者たちは寺の維持に尽力していて、寺内町として発展していた。
元和3年(1617)に入封した戸田氏鉄は城郭や城下町を建設するために、寺内町を形成していた本興寺などの諸寺院を、また、戸田氏に従って近江国膳所崎から移ってきた円通寺・全昌寺・常隆寺などと共に、町並から外れた城下北辺に移し寺町を造り上げた。城下には他に宮町・中在家町・築地町・大物町・市庭町・別所町。風呂辻町・辰巳町などの町場があった。
18世紀初期には当地に16ヶ寺を数えたようだが、天保9年(1838)の巡見使通行用留では、25ヶ寺のうち浄土宗7・法華宗2・真言宗1・禅宗3・一向宗8・時宗4であり、移転の時期や寺数は不明である。
阪神電車尼崎駅の南西に江戸初期に造られた寺町がある。文字通りお寺ばかりが集まった地域。今11ヶ寺が固まってあるのは全国的に見ても珍しいと思う。京都でもお寺ばかりが集まっている地域があるが、大寺院の境内に限られている。この尼崎市寺町のように、普通の町中にお寺ばかりがあるのは貴重な存在だろう。国の重要文化財に指定されたものも多くあり、連続した寺院の築地塀やレンガ塀が連なる光景は見事なものである。
尼崎市でも景観の保存に力を入れているようで、石畳が敷かれた道路になっていて、なかなか風情のある光景だった。
町並み指数 30
参考文献 
  兵庫県の歴史散歩上  山川出版社  兵庫県高等学校教育研究会  1996年
  角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  昭和63年
  兵庫県の地名T  平凡社  (有)平凡社地方資料センター  1999年

開明町の町並

寺町と西桜木町の町並

寺町の町並

寺町の町並

寺町の町並

西桜木町の町並

西御園町の町並

寺町の町並
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