長浜市湖北町伊部は長浜市街の北約8km程の所に位置し、中世には浅井氏の居城小谷城の城下であり、江戸時代は北国脇往還の宿駅であった。 天正17年(1589)の田中吉政下知状に「伊部町」とみえ、当時、問屋が置かれ宿的機能を果たしていたようで、江戸期になり北国脇往還筋の宿場町として本陣・問屋などが整備された。 元禄郷帳では大部分が彦根藩領。元禄8年(1695)の記録では人数557人とある。 元禄期(1688〜1704)頃から代々本陣を勤めた肥田家に伝わる伊部本陣文書によると、北国の福井藩・加賀藩・大聖寺藩・富山藩などが参勤交代の際の本陣・休憩所として利用していた。 物産は米・大豆・生糸などで、商業は清酒醸造や小間物古道具商などがいた。 明治13年の家数109・人数280とあり、旅籠屋や商家の屋号が今に残っている。 今、町並みを歩くと、宿場町当時の面影は殆ど残って居らないが、伊部本陣跡に肥田家の大きな建物が建っていた。第16代か17代当主だそうです。 前の宿場の春照宿が街道に面して商家や旅籠屋と思われる建物が連なっていたが、この伊部宿には、そのような光景が余り見られないのはどうしてだろう。もともと春照宿に比べれば規模が小さかったためだろうか。宿場町の名残のない宿場町だった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和54年 滋賀県の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1991年 |
湖北町伊部の町並み |
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