秩父市蒔田は秩父市街の北5km程の所に位置し、荒川の支流蒔田川の下流域である。 江戸はじめは幕府領、寛文3年(1663)忍藩領となる。享保18年(1733)幕府領となる。一時下総関宿藩領となったが、のち再び幕府領となり明治を向かえる。 「風土記稿」によると家数235とあり、農業主体の村落であったが、農業の合間に男は山仕事、女は絹太織を織り、養蚕を業としていた。産物は絹・横麻・太織・大豆・煙草などであった。 村内の内田家は秩父地方の大型養蚕農家の代表的遺構で、国の重要文化財に指定されている。入母屋造りで大型茅葺き屋根。江戸時代は代々名主を勤めた旧家である。 この村には建て方の名称は知らないが、敷地の入り口に建物を建て、その建物の中間を空洞にして奥の主屋への入り口としている建物が多く散見できる。長屋門の2階建てのような変わった建物であった。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和55年 日本の地名 埼玉県 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1993年 |
蒔田の民家 |
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蒔田の内田家(国の重要文化財) |