青梅市御岳山の町並み
御岳山
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御岳山の町並み

 青梅市御岳山は東京都の最西部の御岳山山上に位置し、主に武蔵御嶽神社の御師で構成された集落である。中世には御嶽山を中心に山上・山下とも御嶽一村であったが、天正19年(1591)に地内の30石を割き、山上を御嶽山の社領とし、御嶽山と称して山麓と分ち、山麓のみ御嶽村となった。
御嶽山の社殿は慶長10年から11年(1606)にかけて造営された。江戸城鎮護の社として南向きであった社殿を東向きに改めたという。
江戸時代には豊作豊穣・火災盗難の守護神として、山上・山下に住む御師により、関東一円の村々に御嶽講が組織されり江戸市中をはじめ武蔵・相模・上野・常陸・上総・下総・甲斐にも及ぶ広い信仰圏を形成していた。御師により開拓された檀家は 十数万戸にも及ぶとされている。例をあげると、御師の片柳家の享保13年(1728)の檀家数は1,747軒で関東一円に散らばっていた。
これらの檀家が御嶽山へ参詣する時には、御師の家に泊まり、神前でお祓いをした後、御嶽山の社殿に向かった。
山上の御師は36軒と云われ、社家として山内の運営に係った重要な役割を持っていた。
山内には参詣者相手の土産物屋などもあって賑わっていた。
今回訪ねたのは、私が属している「町並みWeb集団いらかぐみ」のオフ会がこの御嶽山で開催されたために訪ねたもの。
山肌に沿った傾斜の強い坂道の集落で、息を切っての探訪であった。厚い茅葺や檜皮葺、入母屋造りのどっしりした民家などが点在している。新しく建て替えられた家も多い。これらの御師の家は今でも講中は勿論であるが、一般の我々でも宿泊できる施設になっている。泊まった御師の宿御嶽山荘も、食事場所は神殿の前で、気楽にビールを飲みながらの食事だった。
御師住宅として東京都の有形文化財に指定されている馬場家住宅は公開されていないが、厚い茅葺の大型の家で」、屋根の茅に草が生え花が咲いていた。
このように宿泊できる御師の家は十数軒あり、御嶽神社本殿前には多くの土産物屋や飲食店が軒を連ねていた。
町並み指数  40
参考文献
   東京都の歴史散歩(下)  山川出版社  東京都歴史教育研究会  1998年
   角川日本地名大辞典  角川書店  角川日本地名大辞典編纂委員会  昭和53
   東京都の地名  平凡社  (有)平凡社地方資料センター  2002年

 
御師の家 馬場家(東京都の有形文化財指定)

御岳山の町並み

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宿泊した御師の家 御嶽山荘

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