奥多摩町留浦(とずら)(奥・峰)は東京都の西端で、奥多摩湖中央部の北約5km程の所に位置するぞれぞれ小さな集落である。昭和32年の小河内ダム(奥多摩湖)の完成で、留浦の小留浦・留浦・坂本・雨降り地区が水没し、峰・下り・奥の三集落が水没から免れた。 峰谷の林道の一番奥に奥集落が、そして峰谷を挟んで峰集落がある。 江戸期を通じて多摩郡三田領のうち幕府領で終始した。家数と人数は宝暦3年(1753)113・471。安永5年(1776)105・519。寛政4年(1792)105・521とあるが、化政期1804〜30)の「風土記稿」では家数119とみえる。これらの数字はいずれも、今の奥多摩湖に沈んだところに住んでいた多くの方も含まれている。 炭焼きや木材の切り出しなどで生計を立てていたようで、特産として炭・梨・川海苔・椎茸・手造布等がある。 訪ねてみると、如何にも限界集落の様相で多くの空き家がある。東京都内とはとても思えない山間集落である。せめて高さはと調べてみると、峰集落は海抜約800m、奥集落は海抜約900mとある。 この峰集落の標高差が300mもあり(650m〜950m)一部は廃村になっている地域もあるようです。 そして峰谷を隔てて峰谷の林道の最奥に奥集落がある。これだけの奥地で急斜面を開拓してよく家が建てられたものと感心した探訪でした。 東京都の歴史散歩中 山川出版社 東京都歴史教育研究会 1997年 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和53 東京都の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 2002年 |
奥集落(遠くの山の中腹に峰集落が見える) |
奥集落 |
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峰集落 |
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