越生町越生は埼玉県南部、秩父山地の東麓、都心から55km、入間川支流越辺川の右岸に位置する。 江戸時代は今市村といったが、明治6年から越生村と改称された。江戸期はじめは甲斐国武川衆の知行であったが、のち幕府領となり、元禄年間(1688〜1704)からは上総久留里藩領、他に竜穏寺領・法恩寺領・正法寺領などがあり支配関係は大変複雑であった。 越辺川の谷口集落として発展した町で、中世の越生郷の中心地。中世の鎌倉街道が通り、古くから上野国と相模国を結ぶ街道上の要衝で、市場が開かれ今市と称されたことから村名になったという。 中世末から在郷町として繁栄していたが、特に近世後期になると、越生絹と称する織物がこの地一帯で織りだされ、天明年間(1781〜89)には約1万反にも達した。今市はこれら絹織物の取引の場であった。 化政期(1804〜30)の家数114軒。幕末の改革組合取調書では家数116軒とある。 今市の絹取引は江戸期から明治・大正と盛況を極め絹市が開かれていた。 町並みはJR越生駅の北西部、越生町役場近くを中心に、県道30号線に沿って南はJR越生駅から北に向かって黒岩辺りまでの範囲で展開していた。切り妻の土蔵造りの家屋も見られる。連続した古い町並みとは言えないが、重厚な伝統的様式で建てられた大型家屋が点在していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和55年 日本の地名 埼玉県 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1993年 埼玉県の歴史散歩 山川出版社 埼玉県高等学校社会科教育研究会 1999年 |
越生の町並 |
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