小川町小川は埼玉県の中央部、外秩父山地の北東縁に当たり、小川盆地の中央部に位置する。 江戸期はじめは幕府領、元禄11年(1698)旗本大島氏の知行、天保13年(1842)から川越藩領、明治2年から上野前橋藩領となる。村高は「田園簿」では296石余、「元禄お郷帳」「天保郷帳」共に495石余。 化政期(1804〜30)の家数320軒。 八王子と上州方面を結んだ八王子道と川越秩父道が交わる交通の要衝にあたり、人馬の継立も勤めていた。また、槻川流域を後背地とする谷口集落でもあり、民家が川越秩父往還に沿って軒を連ねて賑わい、「風土記稿」には「民家軒を連ねたれは賑わへる地なり」と記されている。1・6の日の六斎市が立てられ小川町ともよばれた。また、小川を中心とする地域は和紙・素麺の特産地として知られ、小川和紙・小川素麺は有名であった。 小川地方での和紙生産は近世初頭から盛んであったが、小川和紙の名で特産地化したのは、近世中期以降、江戸での消費拡大によるものであった。小川和紙は領主の保護を受けず、江戸の商人や庶民層の需要に応じて生産を拡大してきたのが大きな特徴である。小川素麺も大和三輪を凌ぐ名産ともてはやされた。 町並みは旧川越秩父往還(現国道254号線)に沿って展開している。切妻造り2階建て平入の町並で、中には意識して軒を揃えたと思えるような民家の連なりも見られ、街道筋の宿場町・在郷町の面影を色濃く残した町並みが展開していた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和55年 埼玉県の地名 埼玉県 平凡社 ( 有)平凡社地方資料センター 1993年 |
小川の町並 |
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