宇都宮市徳次郎町西根は只の小さな農村集落であるが、これ程大谷石(凝灰石)で建てられた建造物がかたまってある所は日本にはないと思われる。 元々、徳次郎村の江戸時代は日光街道の宿場町で上徳次郎村だけであったが、上徳次郎村・中徳次郎村・下徳次郎村と西部の丘陵際の西根村・田中村・門前村の6ヶ村に分かれ、徳次郎六郷と呼んだと日光道中略記にある。 宿は上徳次郎宿・中徳次郎宿・下徳次郎宿に分かれていたが、西根村・田中村・門前村は宿場町からも離れていて、直接宿場町との係わりはなかったようだ。 天保14年(1843)の六郷の総家数は168・人数653とある。 現在の西根の集落は20戸程度の民家が集まる小さな集落であるが、集落内を貫く道の両側に石造りの民家が連なる特異な集落である。石造りは土蔵や納屋などが中心であるが中には主屋も石造りになっている家もあり、石塀や石造りの小屋にマナコ壁様に漆喰が厚く盛られた建物もあり、バラエティに富んだ石材の使われ方だ。 西根で使用されている石材は背後の男抱山麓から切り出された徳次郎石と呼ばれるもので、有名な大谷石と同質の凝灰石である。 西根では石造りの家が多かったが、少し離れた旧徳次郎宿辺りでも石造りの家は散見でき、 大谷町・徳次郎町に限らず宇都宮市西北部では多くの石造りの家が見られた。 角川日本地名大辞典 角川書店 角川日本地名大辞典編纂委員会 昭和59年 日本の地名 平凡社 (有)平凡社地方資料センター 1988年 別冊太陽 日本の町並V 平凡社 江田修司 2004年 |
徳次郎町西根の町並 |
徳次郎町西根の町並 |
徳次郎町西根の町並 |
徳次郎町西根の倉庫 |
徳次郎町西根の町倉庫 |
徳次郎町西根の町並 |
徳次郎町西根の民家 |
徳次郎町西根の倉庫、ナマコ壁のようになっている |
徳次郎町西根の民家 |
徳次郎町西根の民家 石造りの主屋 |